サッカーにはポジションやフォーメーションがあり、それぞれに役割があります。具体的に言えば、FW(フォワード)なら点を取ること、DF(ディフェンダー)ならゴールを守ることですね。ですが近年のサッカーではポジションに関わらず全員が守備をして全員が攻撃に参加することが求められています。
今回はそんなトータルフットボールについて紹介していきます。
目次
トータルフットボールとは
冒頭でも言ったようにトータルフットボールとは全員守備・全員攻撃のことです。ウィキペディアの方が詳しく書いてありますので、簡単に要約しておくと、、、
・ポジションにとらわれない
・高い位置からのプレス
・オフサイドトラップが有効に機能
・戦術理解や高い守備意識
トータルフットボールについては何十年も前から議論されていることで、意味合いや用途についても変わってきているように感じています。『ポジションにとらわれない』といってもポジションがないわけではなく、ポジションによって選手に求められることが決まっているはずです。
FWがボールにプレッシャーをかける意識
DFは守備的なポジションなので全員守備といっても元々の役割とそれほど変わりません。全員守備といった場合にはFWの守備参加が最も意識されることになるでしょう。ではFWの守備とはどのようなものか考えていきます。
奪われたら奪い返す
FWは積極的にゴールへ向かうために仕掛けるべきですが、必然的にボールを奪われるリスクも高くなります。ボールを奪われた瞬間は奪われた選手が最もボールの近くにいるわけですから、すぐに守備に意識を切り替えてプレッシャーにいくことが大事です。特に攻撃から守備に切り替わった瞬間はカウンターを受け失点しやすいため、早めにプレッシャーをかけて時間を掛けさせる、自由にプレーをさせないようにします。
パスコースを限定する
ボールを奪うことだけが守備ではありません。後方の選手がボールを奪いやすいようにパスコースを限定してあげることも守備のひとつです。パスコースを限定すると次のパスが予測できるため、インターセプトが可能になったり、数的有利を作りボールを奪うことが容易になります。
特にクサビのパスコースを消したり、サイドチェンジをさせないために中央へのパスコースを消したりすることが多くなります。片方のサイドへボールを追いやることができればDFは楽になります。
前線からフォアチェック
パスコースを限定することに似ていますが、厳しいプレッシャーを前線から掛けることで相手にプレーさせる時間やスペースを失くし、ボールを奪いやすくします。ボールを奪うことができるのは、こうした前線での献身的な守備によることも多いと言えます。奪った瞬間だけではなく、そこに至る経緯まで見ると前線での守備がいかに効果的かが分かるようになります。
DFに必要なボールテクニックと運動量
FWに守備の意識が重要なようにDFに攻撃の意識が求められるのがトータルフットボールです。ポゼッションサッカーをする上ではDFラインを中心としてビルドアップが必要です。プレッシャーを受けたからといって、すぐにクリアをしたりロングパスをしてしまってはボール支配率を高めることができません。ボールを失うことなく正確にパスをつなぐことのできるテクニックが必要になります。
またサイドバックの選手の攻撃参加も必要です。DFラインからMFと超えてオーバーラップするためにはフィールドの縦幅を全力で走ることになりますから、相当な運動量になります。センターバックについては、かなりリスクが高くなりますから頻度は低くなると思いますが、チャンスであれば上がっていくこともあるでしょう。
最後に
トータルフットボールは概念的なものもあり、『これがトータルフットボール』という定義づけは難しいことです。理想とするトータルフットボールは人によって違うこともあるでしょう。
トータルフットボールを語る上ではリヌス・ミケルスやヨハン・クライフという名前が挙がりますが、意味合いや用途は変化してきているようにも感じており、今は昔の話なので割愛します。興味がある方は調べてみてください。