子供たちのサッカーをよく「お団子サッカー」などと表現されますが、現代のサッカーにおいても「コンパクト」と表現されるようにボールを中心に選手が集まっています。今回はコンパクトなサッカーについて解説していきます。
目次
コンパクトなサッカーとは
サッカー場の広さはおよそ105m×68mになりますが、実際に選手がいるエリアはボールサイドに偏っていて35m×40m程度とも言われています。縦の幅はもちろん横の幅も短くなり、3分の1、4分の1程度のスペースに敵味方あわせた22人の選手が密集している状態がコンパクトです。
逆にコンパクトにない状態を間延びしていると表現します。間延びしている状態ではボールホルダーにプレッシャーを与えにくく自由にプレーすることを許すことになります。
コンパクトなサッカーのメリット
プレーエリアをコンパクトに保つことは主に守備チームに大きなメリットをもたらします。
自由にプレーさせない
ボールホルダーにプレッシャーを掛けなければ、ドリブル・パス・シュートなど自由にプレーされ脅威にさらされてしまいます。ボールホルダーには、なるべく早くプレッシャーに行くことが大事です。ボールに対して守備陣形をコンパクトにすることで、相手にプレーできるスペースを消して素早くプレッシャーを掛けることができます。
数的有利を作る
ボールサイドに密集することでボールホルダーに対して複数人で奪いに行くチャンスが生まれます。お互いの距離が近いので、数的有利を作り素早くプレスを掛けることができます。
カバーしやすい
仮にボールホルダーがドリブルで抜いてきても、カバーの距離も近いためDFがフォローに行きやすくなります。
コンパクトなサッカーのデメリット
現代のサッカーではコンパクトに保つことが常識となっていますので、上記にあげたメリットは非常に大きいものになります。ですが逆に気を付けなければならないデメリットも多くあることも事実です。
逆サイドのスペースが空く
横幅をコンパクトにしている分、ボールがあるサイドとは逆側に大きなスペースができます。サイドチェンジによりボールを逆サイドに運ばれてしまうと自由にプレーされてしまいます。
サイドチェンジされないためにはボールホルダーにプレッシャーを掛けてパスコースを限定することが大事です。
DFラインの裏が空く
縦の幅を短くするとDFラインとGKの間にスペースが生まれます。ここのエリアにボールを出されると即失点につながりますので十分な注意が必要です。
裏に出されないようにプレッシャーをかけるのはもちろん、GKはスイーパー的なポジションをとり場合によってはペナルティーエリアを飛び出してクリアをします。
コンパクトに保つためには
守備陣形をコンパクトに保つためにはDFラインの押し上げが必須です。DFラインを上げることにより前線との選手と距離が近くなり自然とコンパクトな状態になります。
しかし、ただむやみに上げても裏のスペースを空けてしまうので、ボールホルダーが後ろを向くなど危険が少ない時に限ります。逆に裏のスペースが狙われている時にはDFラインを下げなくてはなりません。
まとめ
お団子サッカーはある意味ではコンパクトなサッカーと言えますが、全員がボールに集中してしまうという点ではやはり違いますね。コンパクトなサッカーには戦術的な理解と経験が必要です。チーム内での共通意識を持ってトレーニングにより身に付けなければならないところですね。