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なぜカウンター(速攻)がいけないのか?カウンターアタックとは

オン・ザ・ピッチ管理人

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サッカーだけに限らずカウンターアタックは球技における基本戦術のひとつです。ですが筆者は日本のサッカーがカウンターという戦術を嫌う傾向があるように感じています。そもそもカウンターとはという定義から、その有効性、日本のカウンターに対する考え方などについて紹介していきます。

 

カウンターとは

カウンターアタックは日本語では反撃や逆襲といった意味ですが、サッカーを含む球技全般では主に速攻のことを指します。守備から攻撃に素早く移ることで、相手の守備陣形が整わないうちに点を決めてしまう戦術です。

 

カウンターの種類

サッカーのカウンターには大きく2つの種類がありますので、それぞれ解説します。

ショートカウンター

できるだけ敵ゴールに近い前線(主にFW)からプレスをかけてボールを奪うことで、シュートまでの距離や時間を短くしゴールするカウンターです。ゴール前やペナルティエリア付近でボールを奪うことができれば、そのままシュートを打つこともできますので、最大のチャンスを生み出すことができます。

ただし前線からプレスを掛けることは非常に体力を消耗しますし、自陣内でのスペースを空けることにもなります。90分間し続けるというよりは戦況を見極めて使い分けないといけません。

ロングカウンター

まずは自陣内の守備を固めて、ボールを奪った瞬間にロングキックなどで素早く相手ゴールに迫るカウンターです。スピードのある選手がいれば1人でドリブルしてゴールすることもあります。自軍ゴール前から敵ゴールまでの長い距離を攻略しなければなりませんので、シュートまでの難易度は高まりますが、まずは守備を固めることができますので失点のリスクも少なくなります。

 

カウンターに必要な要素

カウンターの成功に求められるのは、まずスピードです。ボールを奪い相手ゴールに素早く迫らなければ、守備陣形を整えられてしまいます。ドリブルのスピード、パスのスピード、サポートのスピード、それらがなければカウンターは成立しないでしょう。

次に攻守の切り替えです。ボールを奪ってから、すぐに攻撃に移る準備をします。簡単なように聞こえますが、いかに次のアクションに移るのかというのは、ボールを奪ってから考えるのでは遅く、事前にイメージしておくことが大事です。

そのためにはチームでボールを奪うタイミングを合わせておく必要があります。カウンター戦術を採用する場合には、トレーニングで事前に『どこでボールを奪うのか』ということを共有しておきます。

 

カウンターの有効性

2014ワールドカップ技術レポートでは下記のように記載されています。

オープンプレーでは、全ゴールの49%がボールを奪い返してから5秒以内にゴールをして、80%のゴールがボールを奪い返してから15秒以内にゴールをしている。soccercoaching.jp

 

また少し古くなりますが、山本政国氏のHPでも下記の記載が見られます。

流れの中の約75%のゴールは、相手ボールを奪ってから15秒以内のものです。

逆にボールを奪われてからは、相手の攻撃に時間をかけさせ15秒以上の時間を使わせれば、守備組織は整い、失点率を下げることができます。(2003年)masakuni-yamamoto.com

 

5秒あるいは15秒での得点というのは、ほぼカウンターになるでしょう。オープンプレーのゴールのうち、80%がカウンターであると考えるといかに重要な戦術かが分かりますよね。

 

カウンターの対策

DFにとってカウンターの有効な対策は、まずは遅らせること(Delay)です。ドリブルでスピードに乗った選手には、まず対面し抜かれないようバックステップで一定の距離を保ったまま並走します。短いパスを警戒する場合には、ボール保持者に対してのプレッシャーおよびパスコースの限定、ロングキックにはヘディングで弾き返すかまたはボールに追いつき体をいれるなどの基本的な対策になります。

数的不利な状況ではディレイする!サッカーにおける守備の基本的な対応

 

日本のカウンター戦術

カウンターサッカーは日本ではあまり好まれません。もしかしたら世界的に見てもその傾向はあると思います。その理由を挙げていきます。

上手くならない

育成年代の目線から誤解を恐れずにいうと、カウンターサッカーはボールコントロール技術が上達しない、上手くならないということが挙げられます。カウンターにはスピードが必要なので、トップスピードでのボールコントロールは確かに必要です。トレーニングすれば上手くもなるでしょう。しかし、「少ないパスやタッチでの攻略」が可能であるため、試合中にボールに触る機会が極端に減ります。

育成年代からそういった傾向があると、成長してもなかなか抜け出せないこともあるでしょう。素早い攻撃よりもパスワークを重視したトレーニングは多いように感じます。

面白くない

感情的ではありますが、単純にカウンターサッカーは面白くないと言われます。守備が多くなり、攻撃する時間が少なくなるからでしょう。勝ち負けにこだわるのに面白くないというのはナンセンスですが、やはりエンターテイメントとしての側面もあるでしょう。

またサッカーに詳しくなるとキレイなゴールが分かるようになります。チームが一つになって連携し、パスが何本もつながって、相手は見ている事しかできない。なんていうのは、プレーヤーにとっては理想的なゴールでしょう。キレイなカウンターもありますが、個人技や特定の選手に注目されるシーンの方がどうしても多くなります。

 

ポゼッションもカウンターも大事

ボール支配率を上げるポゼッションサッカーは一般的になってきていますが、先に述べた通り、カウンターは今も昔も最もゴールしやすい戦術です。かといって相手の守備陣形が整ってしまうと得点できないでは困りますから、ポゼッションしながら崩すという戦術も取らなければなりません。バランス・・・とってしまうと身も蓋もないですが、チームや人材、相手、あるいは戦況に応じた戦略が必要ですね。

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