サッカーのグリーンカードというものを聞いたことがありますか?審判が選手に対して提示するものですが、テレビなどのプロの試合では見掛けることがほとんどありませんので、知らない方も多いと思います。今回はグリーンカードについて紹介したいと思います。
ちなみにですが、グリーンカードにはアメリカ合衆国における外国人永住権、およびその証明書の通称という意味もあります。Wikipedia – グリーンカード
グリーンカードとは
グリーンカードがどういうものかについては、既に日本サッカー協会のHPに記載があります。
日本サッカー協会がU-12以下の選手の大会を対象にフェアプレーを推進するために導入しているカードで、審判がフェアプレー精神を発揮した選手に対してグリーンカードを示します。例えば、ケガをした選手への思いやり、意図していないファウルプレーの際の謝罪や握手、自チームのボールが境界線から出た時などを自己申告する行為、問題となる行動を起こしそうな味方選手を抑制する行為を示した選手、またチームが試合を通じて警告も退場も受けず、終始フェアな態度で試合に臨んだチームにも、グリーンカードが示されます。日本サッカー協会
つまりレッドカードやイエローカードが非紳士的行為に対する罰則であるのに対して、グリーンカードは賞賛の意味があります。
グリーンカードはどんな時に出すか
U-12以下の選手の大会を対象にしているため、プロの試合では出されることはありません。プロは勝利にこだわっていますから、グリーンカード出されても「だから何?」って感じになっちゃうでしょう(笑)。つまり育成年代への教育的な側面の大きい制度と言えます。
中学生未満、つまり小学生のサッカー大会・もしくは練習試合などでフェアプレーをした際に提示されます。フェアプレーとは、具体的にはファウルしない、ファウルした場合には謝罪と握手、挨拶などの礼儀、審判や運営スタッフへの敬意などが挙げられるでしょう。
グリーンカードをもらうと・・・
レッドカードを提示されると退場処分、イエローカードは2枚で退場処分になります。ではグリーンカードはというと・・・どうにもなりません!加点もされなければ、イエローカードが減るなどということもありません。褒賞があると、それを目当てにした、いわゆる偽善的な行動になってしまいがちです。メリットがあるからではなく、自ら進んで行うことにフェアプレー精神があるということでしょう。単に、グリーンカードをもらうことでメリットがあると、試合の戦況に大きく関わってしまうからということも考えられますが。
日本で生まれたグリーンカード
諸説あるかもしれませんが、このような賞賛の意味を持つグリーンカードの発祥は日本のようです。日本サッカー協会では2004年度からカード制度の導入を行い、積極的な使用を奨励しています。
プロでも導入?!セリアBでグリーンカード採用
2015年にはイタリアのプロサッカーリーグであるセリアBでの導入が決定しています。
セリエBのアンドレア・アボーディ会長はこの件に関して、「フェアプレーの向上のための刺激になればいいと思っている。信頼性、サッカー界の問題を解決するためのプロジェクトの一部だ」と説明すると、「注意しなければならないのは、普通のプレーでなく、本当に特別な行為が報いられるものでなければならない。選手がけがをした時にプレーを切ったからといってグリーンカードを受けることはない」と述べた。SOCCER KING
更に2016年には世界で初めてグリーンカードが出されるというニュースがありました。
「ヴィルトゥス・エンテッラ」との試合の後半、同選手はシュートを試み、審判からコーナーキックを与えられた。しかし選手自身が敵は誰もボールに触っていないのでコーナーキックではないと申告。 sputniknews
日本で生まれたグリーンカードが世界でも認められているというのは素晴らしいことですよね。今後も日本発信のサッカーの文化が生まれてくることを期待しています!