「3人目の動き」「第3の動き」という言葉を聞いたことがありますか?ボールを持っている攻撃時に用いられるサッカー用語で、通常はボール保持者とパスの受け手がボールに関わるメインプレーヤーであることに対して、さらにもう一人の受け手、3人目の動きが攻撃の幅を広げるのです。
3人目の動きとは
3人目の動きとは、簡単にいえば2手先のパスを予測して動き出すことです。例えば自身に厳しいマークが付いていてパスが受けられないとき、そこで無理にパスをもらうのではなく、次のパスを予測してスペースを見つけ、改めてパスを受けられるようにします。
有用性
守備をしている選手にとっては3人目の動きは非常に捉えにくいものです。一見するとパスコースがなく無駄な動きに思えるため警戒が緩みます。ですが1本目のパスが活路がひらき、2本目のパスをダイレクトで渡すことで、素早くより広いスペースでボールを受けられるようになります。
ポイント
ポイントとなるのはパスの予測です。次のパスを予測するためには戦術的な理解とチームワークが必要になります。それは試合中に突然できるようになるものではなく、トレーニングによって身に付きます。技術的なものではないので、それほど時間を掛けずに習得することができるはずです。
3人目の動きを成功させるために
3人目の動きを成功させるためにはチームワークが必要ですが、主導権を誰が持つかによって意思疎通の方法が変わってきます。
ボールホルダー
3人目にパスを出したいけど、自分の位置からは出せない。主導権をボールホルダーが持つ場合には、パスの受け手および3人目に声を掛けます。声の掛け方は非常にシンプルで、3人目の名前を呼ぶだけでOKです。それだけでパスの受け手は3人目へのパスを意識し、3人目は自身の名前を呼ばれれば動き出しを始めます。
パスの受け手
パスの受け手が主導権を持つ場合には、自身がボールを引き出す動きと3人目への動き出しの指示が必要です。「パスをもらう」と「次のパス」を考えておくことになりますので、広い視野を持ったプレーが大事ですね。
3人目
主導権が3人目にある場合には、パスの受け手の名前を呼んであげます。するとボールホルダーはパスを出し、パスの受け手は3人目の動きを見てくれるでしょう。
声を掛けるということは指示を出すこと以外にも自身の居場所を伝える手段となります。どちらの特徴も活かしてチームプレーに貢献したいところですね。
まとめ
サッカーは11人の選手がいるわけですから、実際には3人目といわずに4人目、5人目が必要です。それらのパスがつながった時には相手の守備陣形を綺麗に崩し、美しいサッカーを魅せることができるでしょう。