子供たち、特に就学前~低学年のサッカーを見ているとトーキックによるボールコントロールが主ですよね。ボールを蹴る楽しさやサッカーの楽しさを学ぶためには大切な時期ですから、無理に教え込むよりは自由にプレーさせるべきですよね。その後、インステップキックやインサイドキックを学び、使う機会が少なくなるトーキックですが、得点感覚のあるFW(フォワード)ほど逆に使っているイメージがあります。今回は優れたストライカーには欠かせないトーキックについて紹介していきます。
トーキックとは
トーキック(Toe Kick)とは、足のつま先でボールを蹴る技術です。トゥキック、トゥーキックでも問題ありませんが、日本ではトーの発音が一般的です。サッカー初心者に使われることが多いのですが、正確性の面からインサイドやインステップ主体になり、試合中での使用頻度は少なくなります。
トーキックの特徴と凄さ
トーキックはつま先のピンポイントで蹴るので、ボールの中心に当たりにくく意図した方向に飛ばすことが難しいキックと言えます。ボールの中心に当てることができれば、力がボールに上手く伝わり強烈で速いシュートを打つことができます。
そのためインステップキックのように足を振り上げるような大きなモーション(動作)でなくても、ある程度の速度でボールを蹴り出すことができます。
さらにボールの中心を的確にとらえることができれば無回転シュートにもなりますし、ボールを縦に擦り上げることでドライブシュートにもなります。可能性は無限に広がりますね。
ただいくら強烈にといっても限度がありますから、フリーキックで使われることもなければ、思い切り蹴るためだけに使われることはほぼありません。
トーキックの蹴り方
ボールを蹴る箇所はつま先といっても爪の先ではありません。爪の先では痛くて強く蹴ることができませんから、足の指は上に向けて、つま先というより親指の付け根(母指球に近い)にボールが当たるイメージを持ちます。実戦ではスパイクも履いているでしょうから、ポイントが当たっていい感じになります。
上体は地面に対して垂直で、インステップのように斜めになることはありません。ボールを浮かせないためには、やや前傾姿勢をとっていることが多いでしょう。
また足を大きく振り上げることなく、コンパクトに振ることも大事です。トーキックはドリブルシュートでよく使用されますから、走りながら軸足に体重を乗せきる前に膝下のみで素早く振り抜けるように蹴ります。シュートモーションが少なくタイミングがずれることにより、GK(ゴールキーパー)に準備する間を与えないため、得点しやすくなります。
これらの蹴り方からも分かるように経験者と初心者ではトーキックの蹴り方が大きく異なります。正しい蹴り方で効果的なトーキックを身に付けたいところですね。
トーキックの練習
これもヒールキック同様に特別な練習は必要ないでしょう。その他の選択肢(インステップやインサイドなど)の方が頻度が高く、重要だからです。自主練習や遊びの延長でトライしてみるのがいいと思います。
シュートタイミングをずらす方法のひとつ
トーキックは普段使用しないキックの一つであり、モーションの少ないキックです。どちらかといえばフェイントの意味合いが強いでしょう。GKやDFのタイミングを外してシュートが打てるように、顔を上げて周囲の状況が見えていることも必要な要素ですね。