チップキック(Chip Kick)とは、ボールの下に足を滑り込ませるようにしてボールを蹴ることで、スピードの遅い浮き球かつバックスピンをかけることができます。チップは欠片の意味があり、優しく少しだけボールに触ることが語源になっていると考えられます。チョップキックとも言われますが、一般的には浸透していないように感じます。
今回はチップキックについて解説していきます。PKでは特に「パネンカ」あるいは「クッキアイオ」と呼ばれるそうです。これを成功させるには、相当な度胸が必要です。
https://www.youtube.com/watch?v=wKrsFDfo8tk
チップキックの有効性
チップキックはボールを浮かせたいときに有効です。PKの例ではGK(ゴールキーパー)の足に当たらないように念のために浮かせています。一見、グラウンダーでもいいじゃんとも感じますが、浮かせるのは保険の意味でもあります。
またトーキックと同様に普通に走るフォームの延長でボールを蹴り出せることがポイントでしょう。GKはドリブルやシュートのタイミング・コースが読めず、反応が遅くなります。
動画を見てわかる通り、メッシの足元から急激に浮かび上がるボールに対してGKの反応が遅くなり、あっという間に頭上を越えていってしまいます。キーパーの頭上をふわりと越すシュートを、特にループシュートと言います。
チップキックの蹴り方
メッシのプレーを見ると分かりますが、足首をかなり使っています。ボールを上にあげたい時には、足の甲を伸ばした状態でボールの下につま先を入れてから甲を起こします。蹴るというよりすくい上げるといった方が伝わりやすいかもしれません。靴を履いているのでよく分からないのですが、おそらく足の指先まで使っています。それだけ繊細なボールタッチが必要な技術ということです。
それに対して、ボールをGKの頭上を越しつつ、ある程度のスピードが必要なループシュートの場合は、足首はあまり使わず、つま先が地面に突き刺さるような感じ、あるいは足の裏を地面に擦り付ける感じで蹴ります。
バックスピンを効果的に
チップキックはロングパスでも有用です。チップキックで相手DFラインとGKの間に落とし、GKが飛び出せないようにバックスピンを掛け、FW(フォワード)が先に追いつきやすいようにすると効果的です。
同様にドリブルでも対面する相手の足に当たらないように浮かせつつ、空いているスペースにバックスピンを掛けて落とすこともあります。