サッカーは足でボールを扱うスポーツですが、頭(ヘディング)も同じくらい重要な要素になります。元日本代表の巻誠一郎選手が「利き足は頭です。」といったことは歴史に残ることでしょう。それだけ得意なプレーであるとともに、必須となる技術であることが分かります。今回はヘディングシュートについて詳しく紹介していきます。
目次
ヘディングシュートとは
ヘディングシュートとは頭でボールにタッチして得点を狙うシュートのことです。ゴール前に上げられたセンタリングには強烈なシュートは必要なく、頭で触り方向を変えるだけで得点に結びつきます。高い打点でのヘディングシュートはDF(ディフェンス)にとっては止めるのが難しく、身長の高いFW(フォワード)は大きな武器となります。
低い軌道のボールに対して頭から飛び込んでヘディングすることを特にダイビングヘッドといいます。野球のヘッドスライディングをイメージしてもらうと良いかもしれません。場合によっては相手の足元に頭から飛び込むリスクのあるプレーであり、大変な勇気がいります。
ヘディングのコツ
技術的に難しいことではありませんが、頭でボールを扱うことは慣れるまで時間が掛かります。ここではヘディングのコツについて紹介していきます。
額に当てる
ヘディングは基本的に額をボールに当てます。これはボールを見るためであり、頭のテッペンに当たっている場合はボールを見る事ができていません。ボールを見ていないと正確にゴールへ飛ばせないので、ヘディングの際には意識して当てるようにします。
ボールを最後までよく見る
よく言われることですが、ボールを最後まで見るのも大事です。最後までボールを見ると額の角度が自然にボールに向かいますからシュートやパスの精度が高くなります。
それ以前の話として初心者は額にボールが当たると反射的に目を瞑ってしまいますので、慣れておくことも必要でしょう。
落下地点に入る
ボレーシュートと同じですが、落ちてくるボールに対して落下地点を予測しておかなくては触ることすらできません。精度の高いクロスボールであれば合わせるだけですが、それでもわずかな微調整は必要です。
腕を使う
ジャンプの瞬間は勢いよく両腕を上に引き上げて、ボールにインパクトさせる瞬間は肘を曲げて体全体をボールに引き寄せます。ヘディングというと頭を使うイメージですが、体全体のバランスや勢いがとても大事です。
さらにジャンプで大きく振り上げた手は相手をブロックする役割も果たします。
マークを外す
ゴール前の密集地帯でマークを外すことは難しいですが、センタリングが上がる前に自分をマークしているDFの視野から外れておくとヘディングシュートしやすくなります。FW(フォワード)にとって重要なオフ・ザ・ボールの動きで一瞬のスキを生み出せるようにしておくのがポイントです。
怖がらずに信じて飛び込む
センタリングには先にボールに触ることが絶対条件です。そのためには味方からパスが来ることを信じて飛び込まなければなりません。パスがでてから動き出したのではDFが対応してくるので、できればパスが出る前に走り出しておいた方が良いでしょう。
ヘディング練習
センタリングをヘディングシュートしようと様々な技術が必要とされますので、急にできるようにはなりません。段階的にステップアップしていくようにトレーニングを積み重ねていきます。
ボールに慣れるためにはヘディングでリフティングができるようになるのもいいですし、天井からボールをぶら下げてヘディングする感覚を習得するのもいいと思います。
まとめ
チーム戦術によってヘディングについての考え方は異なります。身長の高いヘディングが強いFWがいないなら、センタリングもニアサイドに速くて低い軌道のボールを送り込むことも多くなるでしょう。しかし不得意だからしないのではなく、オフ・ザ・ボールの動きなどで有利な状況を作り出し、ヘディングの機会をつくることも大切です。ゴール前でヘディングができれば決定率は高く、攻撃の幅も広がるので身に付けておきたい技術のひとつですね。