まず『ビルドアップ』とは英語で「作り上げる」「築き上げる」という意味を持ち、サッカーでは「攻撃を構築する」意味として用いられます。 ミッドフィルダーやディフェンダーがパスを回し、展開していく様子はよくテレビで見ると思いますが、ビルドアップとはそのことです。攻撃サッカーが増えてきた今日この頃、先日のワールドカップカタール大会でも数多く行われてきました。
ゴールキーパー(GK)のビルドアップとは?
現代サッカーではゴールキーパー(GK)からのビルドアップが自チームの作戦の1つとして練られているチームも増えてきています。(マンチェスターシティなどが主な例です)特にゴールキックの場面です。
今まではゴールキーパーはハーフライン近くまで高くキックすることが多かったと思いますが、ここ数年は、ゴールキックの場面でもキーパーは近くのセンターバックやサイドバックにパスをする場面をよく目にします。
試合中でもゴールキーパーにボールが渡ってもパントキックをするのではなくスローイングで味方にパスをしたり、フィードバックキック(低弾道)でパスを繋ぐのです。
ゴールキーパーがビルドアップをする意味、狙いについて
まず、自チームのボール支配率を上げるということです。
パスを回し、攻撃のリズムを作ります。そして相手の陣形を崩しながら、チャンスを伺います。ゴールキックからロングボールを蹴ってしまっては相手とのヘディング勝負で五分五分の争いになってしまいます。
ボール支配率を上げる他に、もう一つの狙いがあります。一番うしろから見えているゴールキーパーから回すことによりゴールキーパーの視野と指示で展開を作れるということです。
やはり360度首を振らないと見えないミッドフィルダーと前だけ見ていれば全体が見えるゴールキーパーとでは見えてる視野の広さは違います。逆のサイドが空いているのでサイドチェンジをするなどゴールキーパーの指示で簡単に展開を変えられるのです。
まとめ
現代サッカーではゴールキーパーでも足元の技術、ビルドアップの能力が求められます。今までのようにセービングさえできればいいという時代ではなくなってきました。
練習においてもゴールキーパーであっても他のフィールドの選手と同じようなボールタッチの練習、パス回しの練習を取り入れているチームが多くなってきています。
ここ数年で一番進化したポジションはゴールキーパーだと謳われるように、ゴールキーパーに求められるタスクが格段に多くなったと同時に奥深さ、面白さも多くなったポジションなのです。