ロングスローといえばロリー・デラップというアイルランド人選手が有名ですが、近年でもよく見かけられる効果的な攻撃戦術のひとつです。ロングスローによって投げられるボールはコーナーキックやセンタリングに近いため、ただのスローインも大きなチャンスとなりえるのです。今回はロングスローのポイントと投げ方を解説します。
目次
ロングスローとは
ロングスローとは、スローインの一種で飛距離が長いものの総称です。本来のスローインは、キックよりも飛距離が出ないため近距離の選手にボールを投げ入れることが多いと言えます。しかしスローインの技術を高める、あるいはトレーニングによって筋力を高めることによて、スローインの飛距離をあげることが可能です。
ロングスローによって相手のゴール前にボールを上げるセンタリングや相手DFラインの裏のスペースへパスを送ることも可能になります。これは非常に強力な武器となりえるでしょう。高校サッカー選手権において強豪校「青森山田高校」ではロングスローを用いて得点を挙げています。サッカーのルールとして見止まられている以上、攻撃にとっても守備にとっても無視はできないプレーと言えるでしょう。
ロングスローのポイントをしっかりと抑えて、プレーに活かすようにしましょう。
効果的なロングスローのポイント
ロングスローはただ遠くに飛ばせばいいだけではありません。得点に結びつけるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
タイミング
ロングスローは相手陣内でのスローインで行われるのが一般的です。相手ゴール前に投げることでセンタリングと同様、味方選手が触れば得点につながります。
距離
ロングスローには30m以上の距離が必要です。これはタッチラインからゴール前までのおおよその距離にあたります。
スピード
投げ入れられたボールの速度が遅いと相手に対応されてクリアされる可能性が高くなります。なるべく速いスピードを保ってゴール前に投げ入れます。
弾道
飛距離をだすために山なりの弾道でスローすると、これも相手DFにクリアさせる可能性が高くなります。GK(ゴールキーパー)も飛び出してきやすくなります。なるべく水平に飛ぶような弾道を試みます。
精度
正確に味方選手の頭に届けるような精度も必要です。
ロングスローの投げ方
ロングスローには筋力も必要ですが、投げ方(フォーム)を変えるだけでも大きく飛距離を伸ばすことができます。こちらもいくつかのポイントをまとめてみましょう。
助走
タッチラインから数m離れた位置からギリギリまで助走をします。助走で得られたスピードがボールに伝わるので速いほど良いでしょう。
しなり
体を鞭のようにしならせてボールを投げます。投げるというと手を使うことをイメージしますが、ロングスローでは体全体でボールに勢いを与えるイメージを持ちます。
角度
弾道は水平に近いほうがいいと述べましたが、飛距離を出すためには多少は山なりにしてもいいかもしれません。物理的には45度に投げた方が最も距離がでやすいので、味方選手の位置によっては調整してもいいでしょう。
ロリー・デラップのロングスロー
冒頭でも話したロリー・デラップのロングスローです。お手本のようなロングスローですね。足で蹴っているのと同様のスピードや弾道でゴールに迫ってきますので、対策が非常に困難です。
賛否分かれるロングスロー
ロングスローでゴールに迫ることについては賛否の分かれるところです。サッカー本来の足でボールを扱うことではないため、魅力が失われてしまうと考えられることもあるようです。またロングスローばかりになって足元のトレーニングが疎かになってしまってはいけません。
ロングスローは効果的な攻撃戦術ではありますが、サッカーにはそれ以外の要素の方が大きいわけですから、あくまでゴールに迫るための一つの方法として考えておきましょう。