2020年11月25日、史上最高のサッカープレイヤーとして数えられるディエゴ・アルマンド・マラドーナ氏(以下、マラドーナ)が60歳の若さで死去し、世界中のサッカー関係者に衝撃が走りました。
選手としてのプレイをリアルタイムで見ていた人は少なくなりつつあり、またその凄さについてもピンとこない人も多いのではないでしょうか。世界各国のメディアで、マラドーナの功績が改めてクローズアップされていますが、ここでマラドーナの何が凄かったのかを簡単に纏めてみます。
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目次
個人技・テクニック・プレイの魅力
先ずは、以下のプレイ集をご覧ください。
圧倒的な左脚のテクニック
マラドーナはレフティー(左利き)で、ほとんどのプレイを左脚でこなします。
左脚だけしか使わないと、プレイの幅が狭いようにも思いますが、マラドーナの左脚は不可能を感じさせないくらい、圧倒的なテクニックで様々なプレイを見せることができます。
キックの精度はもちろん、ピタッと足下に収まるトラップの柔らかさは惚れ惚れしてしまいますね。
誰にも止められないドリブル
マラドーナの得意技と言えば「5人抜き」に代表されるドリブル突破。
左脚でボールを小刻みに扱う事で相手のタックルを回避しつつ、小柄な体格を活かして一気にトップスピードに乗って相手守備陣を切り裂きます。
相手からしたら、とても一人では止められないので、複数で囲んだり、反則で止めるしかなかったです。動画を見てわかるように、3人くらいなら平気で抜いちゃいますから。
マラドーナのチームへの貢献
マラドーナはその圧倒的な個人技で、様々なチームを優勝に導いています。
ナポリでセリエA制覇
マラドーナは1984年にイタリアのナポリに加入し、1986-87年シーズンにチームを初のセリエA(イタリアリーグ)制覇に導きました。
「マラドーナを獲得できるんだから、元々強いチームだったんじゃないか」と思うかもしれませんが、マラドーナ加入前は、なんとリーグ12位。優勝どころか、一歩間違えるとリーグ降格してしまうほどのチームでした。
そんなチームがマラドーナの活躍で順位を徐々に上げていきます。また、プレイだけでなく補強面でも「マラドーナとプレイしたい」という名選手を獲得することでチーム力が増して行く好循環が生まれました。
そして最終的に、ユベントスやACミラン、インテルといったイタリアだけでなく欧州を代表するチームを抑えてリーグ優勝を成し遂げたのです。ナポリがセリエAを制覇したのはマラドーナ在籍時だけ、というのもマラドーナがチームに与えていた影響力を物語っていますね。
アルゼンチン代表をワールドカップ優勝に導く
1986年のワールドカップ・メキシコ大会で、マラドーナ擁するアルゼンチン代表が優勝を果たしました。同大会は「マラドーナの大会」と評されることが多いです。
先ずはマラドーナの残した成績が圧倒的です。特に決勝トーナメントに入ってから、
準々決勝(対イングランド) 2ゴール
準決勝(対ベルギー) 2ゴール
決勝(対西ドイツ) 1アシスト
と、アルゼンチンの得点のほとんどに絡む大活躍でした。
しかもイングランド戦の2ゴールは「神の手」ゴールと「5人抜き」ゴールと、共にワールドカップの歴史に残るゴールを挙げるなど、数々の印象深いプレイを見せました。
母国をワールドカップ優勝に導いたマラドーナは、アルゼンチン国内では絶対的な英雄とみなされています。
「プレイだけでいったら、同じアルゼンチン人であるメッシもマラドーナに並ぶのでは」とも言われますが、「ワールドカップ優勝に導いたマラドーナの方が偉大だ」という意見が根強いです。
最後に
以上、マラドーナの凄さをまとめてみました。一選手として圧倒的な実力があるだけでなく、自分のプレイでチームを勝利に導く影響力は、史上最高といえるでしょう。マラドーナほどにチームの勝敗を左右する選手は今後も生まれないのかもしれません。