サッカーではチームや戦術に合わせて多くのポジションがありますが、その中でもセンターバックは守備において特に重要な役割を持っていると言えます。今回は守備の要であるセンターバックに必要な能力とは何なのか紹介していきます。
目次
センターバックとは
サッカーにおけるセンターバックとは、名前の通りバック(守備)のセンター(真ん中)にいる選手のポジションのことです。通常、ディフェンスラインを形成するバックには3人~5人程度の選手がいますが、その中でも中心にポジショニングをしている選手がセンターバックになります。4人の場合は2人のセンターバックがいるということになります。
センターバックは味方ゴールキーパーの前に位置し、自ゴールに最も近いフィールドプレーヤーとも言えますので、守備の役割は非常に大きいポジションです。
センターバックに必要な能力【守備編】
まず守備においてセンターバックに必要な能力は大きく分けて3つあります。
1つ目に『当たり負けしないフィジカル』
2つ目に『相手FWに負けないスピード』
最後3つ目が『絶対に負けないというメンタル』です。
当たり負けしないフィジカル
これは皆さんの想像通りかと思いますが、相手もFWとの接触プレーが多いセンターバックにとってフィジカルは必須能力です。しかし、ここで認識していただきたいのが決して「筋肉ムキムキのマッチョ」になればいいというわけではありません。ただ筋肉があるだけではセンターバックになることはできないのです。筋肉があっても、接触プレーですぐによろけてしまったり、転んでしまうのではセンターバックが全く成り立ちません。逆に言うと、接触プレーで負けなければ筋肉ムキムキじゃなくても良いということです。
では接触プレーで当たり負けしないためにはどうすればいいのか、それは「タイミング」で勝負するということです。もちろん体重の重い相手FWと正面からぶつかっても飛ばされるだけなので、相手の不意を付くタイミングで体をぶつけてボールを奪うことが重要です。体の小さい選手でボール奪取能力に長けた選手は皆タイミングでフィジカル勝負しているのです。
相手FWに負けないスピード
今まさに日本人センターバックで調子を上げているアーセナルの富安選手がとても良い例です。プレミアリーグという世界最高のリーグで大活躍している富安選手ですが、まさにスピードは一級品です。それは単に100メートル走が速いというわけではありません。瞬間的なスピード、つまり5メートル・10メートルの速さもトップレベルなのです。短距離走のスピードと併せて、一瞬のスピード、爆発力がセンターバックには求められているのです。
相手より一歩でも早くボールに触る、相手の足からボールが離れた瞬間を狙ってボールを奪うなど様々な場面がありますが、どれも相手FWの選手との勝負です。その相手FWの中にはスピードを売りにしている選手も数多くいるので、それを上回るスピードが要求されているのが現代のセンターバックです。
絶対に負けないというメンタル
気持ちで負けたら試合終了と言われるぐらいメンタルは重要事項です。特にセンターバックは点取り屋の相手FWと対峙するわけですから、最初の気持ちで負けたら相手の好きなように試合を進められてしまいます。「この相手FW大きいから怖いな」「フィジカル強そうだな」そんなマイナスなことを考えてしまったら、それがプレーにも出てしまいミスや消極的なプレーにつながってしまいます。
相手FWは常にそういう隙を狙っているのです。どんなに体格が不利な相手でも、技術的に上でも「絶対に負けない、俺が止める」と強い気持ちで勝負する事が結果的に失点を防ぎ、チームの勝利にもつながってきます。
センターバックに必要な能力【攻撃編】
攻撃におけるセンターバックに必要な能力には以下のものが挙げられます。
- ビルドアップ
- ロングフィード
ビルドアップ
ビルドアップとはボールを相手に奪われないようにパスを回しながら前線に運ぶことを指します。相手からのプレッシャーをうまくかわしつつ、ボールを前線につなげるスキルがセンターバックには求められます。センターバックがボールを奪われてしまうと、大きなピンチに陥ってしますので注意が必要です。
ロングフィード
近年のサッカーでは相手守備の隙、つまり空いたスペースをしっかり狙っていく必要があります。センターバックにおいては相手ディフェンスラインの裏にパスを出し、FW(フォワード)にチャンスを与えることも重要です。FWへのパスは最も距離があるものになるので、正確なロングフィードが出せるスキルがセンターバックに求められます。
最後に
センターバックは守備の中心となる選手なので守備の能力に長けていなければ務めることができないでしょう。ただ上記に挙げた能力があれば十分ということではありません。ディフェンスラインでのボール回しやポジショニング、正確なロングフィードも強力な武器になります。既にセンターバックとして活躍している方であれば言わずもがなですが、改めて自身のスキルや能力について考えてみても良いかもしれません。