「マイナスのクロスを上げた」
こんな言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?今回は「マイナスのクロス」について解説をしていきたいと思います。マイナスのクロスとはどういったもので、メリットは何なのか、効果的な場面とは何なのか知っておきましょう。
マイナスのクロスとは
マイナスのクロスとは、サイドの深い位置(相手ゴールライン付近)からセンタリングを上げる際、ゴール前にパスをするのではなく、斜め後ろ(ゴールから遠ざかる方向)に向かってパスをすることを言います。相手のゴールから遠ざかるからマイナス、サイドから中央にパスを送ることをクロスまたはセンタリングと呼びます。
マイナスのクロスのメリット
マイナスのクロスを行うメリットとは主に2つあります。
フリーになりやすい
1つ目が、フリーでシュートを打てる可能性が高いということです。サイドの深い位置まで攻めた場合、ディフェンスは点を取られないために、まずゴール前に人数を集めてきます。点を取られないようにするのでそれは当たり前ですが、そこでマイナスのクロスが非常に有効です。ディフェンスはゴール前に密集しセンタリングを跳ね返す準備をしているので、ゴールから離れた位置にいる選手のマークがかなり手薄になります。マイナスのクロスを狙う選手はこれをうまく利用するのです。あえてゴール前に進入せず、少し下がった位置でマイナスのクロスが来たらどうでしょうか。相手のマークもなくフリーでクロスを受けられるので、一度冷静にトラップしてからシュート、もしくはダイレクトシュートも有りでしょう。フリーでボールを受けられるので選択肢が無限に広がり、得点のチャンスは大きく広がるでしょう。
シュートが打ちやすい
2つ目のメリットが、シュートを打ちやすいということです。ダイレクトでシュートする際、前方から来たボールと横から来たボール、どちらがやりやすいでしょうか。間違いなく前者の前方から来たボールだと思います。ということはサイドの深い位置まで攻めた場合、ゴール前の選手にセンタリングするよりマイナス方向の選手につなげた方がより確実なシュートを打てるということなのです。マイナスのクロス受ける選手はフリーでパスを受け、しかもシュートを受けやすい体制にいるので、落ち着いてシュートコースを狙うことができるのもマイナスクロスのメリットです。
マイナスのクロス効果的な場面
ゴール前にディフェンスを多く固められた時こそマイナスクロスの絶好のタイミングです。守備固めのチームやカウンター狙いのチームはゴール前で強固なディフェンスをしてくると思いますが、そんな相手にマイナスのクロスを行うと相手の不意を付く事ができます。ディフェンス重視の相手にサイドの深い位置までオフェンスが切り込むことができると、ディフェンスはボールウォッチャーになりマーク確認が遅れ、焦りが生じます。ゴール前で構えている選手にだけ意識が集中し、他のマークが疎かになるので、ここでフリーの選手に向けてマイナスのクロスです。
マイナスのクロスを確実に受けるためにはゴール前の選手がおとりとなってディフェンスを引き付ける必要があるので、FWの選手の動きも重要です。あたかもゴール前にセンタリングして点を取るぞと相手に認識させることでより効果的にマイナスのクロスを使うことができます。